うさぎを飼っている方は1度は聞いたことがある「ソアホック」という病名。うさぎには犬や猫のような肉球がないため、かかりやすい病気の一つです。
重症化すると死に至る場合もあるので、早めに飼い主さんが見つけてあげることが大切です。
ソアホックって何?
ソアホックとは、足の裏(多くはかかとの部分)が炎症をおこしてしまう皮膚病です。日本では「飛節びらん」、「足底潰瘍」、「足底皮膚炎」、「潰瘍性四肢皮膚炎」などと呼ばれることもあります。
うさぎの中では一般的な病気ではありますが、症状は軽いものから重症化してしまうものまであり、重い場合はうさぎが痛みを感じていることもあります。
どんな症状?
進行具合によって症状は異なってきます。
初期症状
- 小さな脱毛
- 足裏の赤み
- 小さな吹き出物のような発疹
進行するとでてくる症状
- 「タコ」のような白いかさぶた
- 足裏が湿ってじめじめ状態
- 出血、ただれ、膿
うさぎがいつもと違う行動
- 落ち着きがなくなる
- 足をひきずる、かかとが床につけられない
- 歩き方がぎこちなくなる
- 食欲の低下
- 体重の減少
初期の段階だと、気が付きにくい小さな異常ですが、脱毛によって皮膚が露出してしまうと、傷や炎症を起こしやすくなり痛みが生じます。
放っておくと骨までえぐれる骨髄炎や滑膜炎になることもあります。
また、傷ついた足を庇って他の足に負担がかかってしまい、結果全ての足が傷ついてしまうこともあります。
ソアホックの原因は?
うさぎには肉球がないため、直接皮膚に地面や床材があたっています。ふわふわの毛で覆われていますが、摩擦で徐々に抜けてしまいます。
毛が抜けてしまった部分の皮膚が直接ゲージや床に擦れて炎症が起きてしまいます。
特に季節の変わり目など換毛期などの毛が少なくなる期間は要注意です。
うさぎの身体の構造からソアホックになりやすい動物ですが、飼育環境が原因になることもあります。
うさぎ自身の原因
- 生れつき足の裏の被毛、皮膚が薄い
- 肥満や大型うさぎ
- 運動量が少なく、動かずにいる
- 高齢により皮膚の弾力がなくなる
- 爪が長い
- 足踏みのように地面をダンダンと鳴らすスタンピングをよくする
飼育環境による原因
- 床材がクッション性が低く固い
- 不衛生
- ケージが狭い
- 多頭飼いなどからの管理不足
- 足裏が水やおしっこなどで湿っている
飼育環境は、飼い主さんのお世話次第で防ぐことができます。ソアホックになりやすい環境ではないか、チェックしてみましょう。
予防法
部屋とゲージ内にやさしい床材
家の床がフローリングの場合、絨毯やカーペット、パズルマットを敷きましょう。固くツルツル滑る床は足裏に負担がかかります。
ゲージから出してお部屋でお散歩させる場合の際に、風呂マットによく使われるマイクロファイバーモールを敷くだけでもいいでしょう。
生活時間が長いゲージ内の床もとても重要です。
金網製のすのこを使用している人も多いですが、その場合は、藁や乾草などを敷くなどしましょう。うさぎ座布団もオススメです。
※ガジガジ好きのうさぎちゃんは、床材の誤飲にお気を付けてください。
トイレなどを清潔に保つ
ゲージ内の水皿から水がこぼれたり、おしっこがトイレから出てしまったり、という状態が長いと足裏が湿って感染症にかかりやすいです。
頻繁にお手入れをして清潔に保ってあげましょう。
ストレスは禁物
うさぎは寂しかったりイライラしたり…ストレスを感じると、足踏みのように地面をダンダンと鳴らす「スタンピング」をするようになります。
スタンピングは、着地の際に摩擦を起こします。なるべくスタンピングをさせないようにストレスを感じない生活を過ごさせましょう。
肥満に注意
肥満はソアホックの原因で多いものの一つです。ソアホックだけでなく、他の病気にもかかりやすいので、肥満には気を付けましょう。
気になるようでしたら、食事や運動量をもう一度見直してみましょう。
ゲージから出して運動をさせる際は固い床ではないところで。1日に1時間程度はお部屋をウロウロさせてあげる時間を作って、ストレス解消+肥満防止をしましょう。
定期的にチェックを
うさぎを飼っていると常に気を付けておきたいソアホックという病気。
足裏に症状がでるため、初期段階でなかなか気が付かない飼い主さんも多いようです。歩き方などでうさぎの様子がおかしいことから発見すると症状が進んでいる状態かもしれません。
早期発見のためにも、日頃からコミュニケーションをよくとって定期的に全身をチェックする習慣をつけましょう。