中国の皇帝に愛された犬、ペキニーズってどんな犬?【性格・歴史・特徴・しつけ・気をつけたい病気など】

ペキニーズは、「北京の犬」という意味を持ち、原産国の中国では「京巴(ジンバー)」と呼ばれている犬です。

中国の伝説で、「ライオンと猿が恋をして、結婚してできた犬」ともいわれています。

実際に、たてがみのような毛とライオンのような威厳、猿のような愛嬌のある可愛らしさをもちます。

日本でも人気が高く、ここ数年の人気犬種ランキングでも20位前後にライングインしています。

今回は、ペキニーズについてご紹介します。

 

ペキニーズの性格

ひと言でいうと「猫のような性格」で、犬らしくない犬ともいわれることも。

気分屋さんな面があり、神経質で警戒心が強く、マイペースでプライドが高い傾向にあります。

また、賢くて落ち着きがあり、飼い主さんに対しては愛情深く忠実です。

負けず嫌いな面もありますが、自分からケンカを売るようなことはしません。

人見知り気味で、あまり人に媚びることもせず、気分によっては名前を呼ばれても振り向かないときも。

可愛らしい外見とのギャップもペキニーズの魅力のひとつですね。

 

ペキニーズの歴史

ペキニーズの歴史はとても古く、中国の唐の時代の絵画にも描かれていたようなので、実際はもっと昔の紀元前に存在していたとも考えられている犬種です。

祖先犬は、チベットの寺院で僧侶が飼っていた「チベタン・スパニエル」という犬種だったといわれています。

そこで、仏教やラマ教に出てくる伝説の獅子に似せて、繁殖されたきたようです。

伝説の獅子犬のようなペキニーズは神聖な犬とされ、諸国宮廷への献上物として歴代の皇帝に贈られてきました。

皇帝、皇族以外の飼育を禁じられていて、大事に飼われてきました。

常に一緒に行動するために、袖に入れて移動していたともいわれています。

皇族の葬儀のときには、棺を墓まで先導するのは寵愛を受けたペキニーズの仕事でした。西太后の葬儀で先導したペキニーズの名前が「モータン」だというのも有名な話です。

門外不出だった犬ですが、阿片戦争時に、5匹のペキニーズがイギリス軍によってイギリスに持ち出され、宮廷内で飼育されてきました。

その後、1893年にショーへ出てから一気に人気が広がったといわれています。

最近の研究では、パグやシーズーの祖先がペキニーズだと分かってきました。

 

ペキニーズの特徴

輝きのある大きな瞳に短い鼻と口に、たてがみのようなボリューム感のある首周りの被毛、獅子のような品があり貫禄ある姿ですね。

足は短く、がっちりした太い前足とやや細めの後ろ足で、あまり走ることなく、体を横に揺らしながらの歩き方は優雅です。

くびれのない体で、上から見ても長方体です。

大きさ、体重

体高:20~30cm
体重:5kg前後
(オスオスは5kg以下、メスは5.4kg以下が理想とされています)

寿命

平均寿命:12~15年

小型犬の平均寿命が10~15歳とされているので、小型犬の中では寿命は長い方でしょう。

被毛

分厚い下毛と、真っ直ぐ長い上毛のダブルコートです。

特に、耳周辺や首周り、脚の後ろの毛が豊かです。

毛色は、グレー、ホワイト、レッド、クリーム、ゴールド、ブラック、ブラックアンドタン、フォーン、サーブル、パーティカラーなどとても多くの種類があります。

日本では、フォーン、ホワイト、ブラックが多くみられます。

 

ペキニーズの飼育方法

環境

ペキニーズの性格上、静かに自分の思うように暮らしたいので、にぎやかな環境ではストレスを感じてしまいます。

気ままに過ごしたいと思いつつも、飼い主には愛情深く独占欲も強いので、小さな子どもとの生活や多頭飼いに向いているとはいえません。

お手入れ

被毛が豊かで、アンダーコートが絡みやすいので、毎日丁寧なブラッシングが必要ですが、トリミングは必要ありません。

垂れ耳なので、毎日耳の中のチェックが必須です。

耳の中のトラブルは多く起こりやすいので、中を見たり、臭いなど、いつもと違うことがないかを気にしましょう。

また、鼻の周りのしわの間に、ごはんや異物などがたまりやすく、そのままにしておくと細菌が繁殖して炎症を起こしやすので、こまめに拭くなどして、常に顔まわりは清潔に保ちましょう。

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運動

足も短く走るのが得意な犬種ではなく、動きがゆっくりなので、多くの運動量は必要ありません。

熱中症になりやすい犬種なので、暑い時の運動や散歩には十分に注意しましょう。

しつけ

愛玩犬でありますが、抱っこされることは好きではありません。

警戒心が強く、神経質なので、色んな人のいうことを聞くことは難しいようです。

飼い主には誠実なので、犬の自主性や気持ちを尊重しながら教えていくとしっかり身につきます。

頑固で強情な面もあるので、しつけは我慢強く、気長にゆっくりと行いましょう。

また、吠えにくい犬種でもあります。

食事

運動量も多くなく肥満になりやすい傾向ですので、食事には気を付けましょう。

一日に与える量をしっかり決めて、オヤツのあげすぎにも注意したいですね。

人間の食べる料理は味付けがされ、カロリーも高いので、与えるのはやめましょう。

 

ペキニーズが気をつけたい病気

椎間板ヘルニア

ペキニーズは、先天的な遺伝子異常でヘルニアを起こしやすい犬種です。

床で滑らないようにマットを敷いたり、階段などを使用するなどして段差をなくす対策をしましょう。

またヘルニアは肥満になるととても負担がかかるので、日頃から注意しましょう。

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外耳炎

垂れ耳で、耳の周辺に被毛が多いので蒸れやすいのです。

細菌が繁殖し、炎症が起こります。

耳に違和感や痒みが出るので、耳をを掻いたり、痒い耳に足が届かないと首を掻いたり、首や頭を振ったりします。

特に湿度の高い梅雨時期に発症するケースが多いようです。

目の病気

ペキニーズは目が大きいので、目の病気には注意が必要です。

逆さまつ毛の犬も多く、角膜に傷が付くと涙やけや結膜炎にもなります。

眼瞼炎、角膜炎、チェリーアイ、白内障などもなりやすい傾向です。

他には、ちょっとした頭部の衝撃などで眼球が飛び出してしまう眼球脱出にも気を付けてもらいたい犬種です。

涙の量、めやに、まばたきの回数、左右の大きさ、眼球の色などを中心に毎日チェックしてあげましょう。

熱中症

寒い地域原産の犬というのもあり、暑さには弱いです。

さらに、鼻が短く口腔の面積が狭いため、気化して熱を逃すのが苦手なので、熱中症になりやすいのです。

暑い時期にはしっかりと熱中症対策をして下さい。

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軟口蓋垂過長

短頭種のペキニーズは、軟口蓋垂過長という呼吸器系疾患になりやすい犬種です。

口内の軟口蓋という部分が気道を塞いで呼吸を妨げてしまいます。

心臓弁膜症と合併している場合も多く、予防は難しいですが、定期的な検診で早期発見することが大切です。

 

ペキニーズと楽しく暮らすために

ここ数年よく目にするペキニーズ。可愛いミックス犬も見かけます。

ペチャっとした愛らしいお顔は、見ていても自然と笑顔にしてくれますよね。

犬らしくない犬で、あまり人間にはなびかないツンデレ性格も、他の犬種になく個性的です。

静かに暮らしたいペキニーズは他の犬と接し方も変わってきますし、ストレスだと感じることも異なります。

ペキニーズの性格などをよく理解した上で、上手に関係を築いて、楽しく一緒に暮らしたいですね。

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