フェレットにはどんな種類があるの?【ファーム・種類・毛色による違い】

愛くるしい顔にフワフワの毛に覆われた身体。

鳴き声も小さいので、マンション住まいや一人暮らしにも飼いやすいことからペットとして人気が高いフェレットです。

フェレットは繁殖場(ファーム)によって、性格や特徴などが少しずつ異なります。その種類や毛色などをまとめたので、ぜひ参考にして見てください。

フェレットのファームとは

いま市場に出回っているほとんどのフェレットが、ファームで繁殖されています。ファームとはフェレットが作られた繁殖場のことで、アメリカ合衆国やカナダ、ニュージーランドにあります。

ファームごとにさまざまな改良がなされて、現在のようにペットとして最適なフェレットが誕生し世界中で愛されています。現在国内のペットショップで販売されているフェレットの9割以上は海外のファームから輸入されています。

ファームによって性質や特徴は少しづつ異なり、それが、それぞれの個性になっています。さらに、ファームによる性格、体つきの違い、品種の違いなどでフェレットを選ぶことができます。

一部では、マーシャル社のフェレットは性格がおとなしく顔は丸顔、ヨーロッパ産はやや大柄でがっしりした体型、カナダ産は色々なカラーの子が多い、などと言われています。

フェレットの場合、繁殖されたファーム名=種類名となっています。そこに毛色によりバリエーションが増えます。

フェレットの種類

マーシャルフェレット

アメリカニューヨーク州に本社を置き、60年以上の歴史がある世界唯一のペット用フェレットの専門会社です。

証明書にはマーシャル社のロゴマークと国際フェレット協会のスタンプが付いています。日本国内でも成体・関連商品ともに圧倒的なシェアを誇っています。

初心者にも飼育しやすいです。

マーシャルフェレットの特徴

  1. 耳に入れ墨、背中にマイクロチップを埋め込んでいる
  2. カラーバリエーションも年々増加している
  3. 体は比較的細身な子が多い
  4. 性格は温厚で噛みぐせの少ないおとなしい子が多い

平均体重

0.8~1.5㎏

平均価格

7~8万円

パスバレーフェレット

アメリカ東部のペンシルバニア州にあるパスバレーファーム。ペット用フェレットを繁殖している最大のファームです。

「最高品質のフェレットとフード」をスローガンに掲げていて、マーシャル社の次に人気が高いようです。

飼いやすいが、わんぱくな性格上しっかり遊んであげる必要があります。

パスバレーフェレットの特徴

  1. カラーバリエーションが豊富
  2. しっかりとした体つき
  3. 丸顔が多い
  4. ベビーのときに噛み癖
  5. わんぱくな性格が多く、一緒に遊びたい飼い主におすすめ
  6. 流通個体数が多いため、入荷も安定している

平均体重

0.8~1.5㎏

平均価格

5~7万円

カナディアンフェレット

カナダのバンクーバーにあるのがリアルカナディアン社です。

骨太でしっかりとした体つきと耳に「ー」の入れ墨が特徴です。噛み癖をなおすためにしつけが必要なので、どちらかといえばフェレット飼育経験者向けです。

カナディアンフェレットが2017年頃から日本への輸入がなくなり、現在飼育されているカナディアンフェレットだけになります。

ファームがつぶれたとの情報で、今後の輸入状況は不明です。大型ファームですので、買収された場合は輸入再開との可能性があるかもしれませんが、今のとことはそのような話もありません。

カナディアンフェレットの特徴

  1. 筋肉質でがっちした骨太の体つき
  2. 丸顔が多い
  3. カラーバリエーションが豊富
  4. 少し噛み癖があるのでしつけが必要
  5. 大型フェレットを飼育したい方におすすめ

平均体重

1.0㎏~1.8㎏。特にオスは大きくなる。

平均価格

7~8万円

マウンテンビューフェレット

アメリカでは一般的なマウンテンビューフェレットですが、ファーム数が限られていて、日本ではあまり流通していません。

ほぼペットショップでの扱いがなく、フェレット専門店での販売になります。2018年から被毛が長いタイプが輸入されてきました。初心者にも飼育しやすいです。

マウンテンビューフェレットの特徴

  1. 噛み癖が少なく、おとなしい
  2. カラーなどマーシャルファームに似ている
  3. 比較的小柄といわれているが、パスバレーフェレットとの体格差はあまりない
  4. 身体も顔も丸い子が多い
  5. 耳に丸い入れ墨が入っている

平均体重

0.8~1.5㎏

平均価格

6~7万円

ルビーフェレット

流通数が少ないファームで、日本でも少ない数しかいませんが、価格は高くはありません。

ルビーフェレットは、バスパレーフェレットを品種改良されたフェレットです。性格も体つきも個体差が大きく、育ててみないと分からない点が多いです。

他のファームのフェレットとの相性が悪く、性格も様々なので初心者には難しいかもしれません。

ルビーフェレットの特徴

  1. 赤ちゃんの頃から体つきがしっかりしていて顔丸
  2. 他のファームとの相性が悪いことが多いため、多頭飼いは注意が必要
  3. 比較的病気に強い
  4. バスパレーフェレットを元に交雑された品種だが、個体差があるフェレット

平均体重

0.8~1.5㎏

平均価格

7~8万円

ファーファームフェレット

デンマークのファームでしたが、現在は中国に移転しました。

フェレットの中でも大柄で存在感があります。しっかりとしつけが必要なので、初心者には難しいかもしれません。

ファーファームフェレットの特徴

  1. 骨太で大柄、力も強い
  2. 体が大きいため他のフェレットが怪我をしやすく、多頭飼いは十分な注意が必要
  3. たっぷりとした被毛で、毛の長さで「ロング」「セミロング」「ショート」の3種類に分かれる
  4. 個体により鼻の形が違ったり、鼻毛が生えることもある
  5. 野性的な性格でテンションが高く、噛み癖もあるのでしつけが必要
  6. ファームで与えている餌の影響で歯が黄ばんでいることがあるが、年々消えていく

平均体重

1.5~2.0㎏

平均価格

ショート:6万~7万円
セミロング:7万~8万円
ロング:10~18万円

ホールデンフェレット

2015年9月から日本に輸入されたカナダのファームフェレット。まだ新しいファームですが、流通量は多いです。

身体が大きめで、わんぱくな性格が子が多いです。運動が大好きで噛む癖もあるため、しつけが必須。初心者には難しいかもしれません。

生体の特徴

  1. 筋肉質で体は大きめ
  2. 比較的噛み癖があり、噛む力も強い
  3. 耳に「H」の入れ墨が入っている
  4. 運動神経抜群でアクティブ

平均体重

1.0㎏~1.8㎏

平均価格

7~8万円

ニュージーランドフェレット

ニュージーランドフェレットは丸顔と目の周りが黒くパンダ模様をした愛くるしい姿が特徴です。

もっとも原種に近いとされ、大型になる傾向です。噛み癖があり、しつけが必要なので初心者には難しいかもしれません。

2002年ニュージーランドでは、販売、繁殖、飼育が違法になったため、現在日本では購入することが出来なくなったようです。

生体の特徴

  1. ふさふさした触り心地がよい毛
  2. 丸い顔と目の周りが黒くパンダ模様
  3. 大型に育ちやすい傾向
  4. お腹に数字の入れ墨が入っている
  5. 噛み癖があり、しつけが必要

平均体重

1.5~2.0kg

平均価格

販売していません

DRFフェレット

日本国内で繁殖している唯一のファームです。ドラゴンライズフェレトリーの頭文字から「DRF」と表記されています。

徹底された血統管理のもと、近親の交配を避け、遺伝的な病気を防いでいます。

海外のフェレットは「臭腺除去手術」と「避妊・去勢手術」済みで輸入されてきますが、DRFフェレットは手術されていないので、適切な時期に手術を受けなければなりません。

店頭で見かけることが少なく、赤ちゃんが生まれると公式サイト、ブログ、Facebookで情報が流れ、一般公募で予約してからのお迎えが基本的な流れのようです。初心者でも飼育しやすいです。

1年に2回開催される品評会でのフェレットショーでDRFフェレットを間近で見ることが出来ます。

生体の特徴

  1. 避妊・去勢手術はされていないので手術が必要
  2. オスは骨太でがっしりとした体格、メスは敏捷性のあるしなやかな体
  3. 全頭にマイクロチップが埋め込まれている
  4. 毛色は少ない

平均体重

1.0~2.0㎏

平均価格

オス12万円~

メス7万円~

フェレットの毛色

セーブル

出典:koiwa-pet

ノーマルとも言われています。

全体に3色で、背中から体は黒からこげ茶、特に四肢、尾は色が濃く見え、顔は白く目の周りにマスク模様があります。

セーブルという色合いは、日本人には馴染みのないものですが、黒からやや赤みがかる濃い茶色のことです。

フェレットの体は表面の硬く長いガードカバーとその下の柔らかいアンダーカバーと言われる毛で覆われていますが、黒っぽい色はカードカバーだけで、アンダーカバーはクリーム色が普通です。

セーブルの黒っぽい毛色は成長とともに色が薄くなることが多く、約生後1~2年くらいで毛が生え変わると薄くなったように感じることがあります。

5歳ごろから、白髪も目立ち始めます。

シナモン

出典:koiwa-pet

香辛料で知られるシナモンスティックの色です。

毛の中の黒い色素が少し抜けているせいか、毛色の濃さはバタースコッチの薄くなったものに見えます。たいていのシナモンと呼ばれるフェレットは、光の具合で赤とか黄の独特の色合いに見えます。

これぞまさにシナモンという色の子はそれほど多くはなく、バタースコッチとの中間的な子が多いと言えます。

バタースコッチ

出典:koiwa-pet

バタースコッチ・キャンディのような色合いの焦げ茶です。

背中の色の薄いところは、かなり黄色っぽく見えますが、四肢は焦げ茶色です。セーブル・アルビノについで多い毛色で、セーブル同様によく販売されている種類のフェレットです。

子によって色の差が大きいです。

シルバーミット

出典:koiwa-pet

四肢の先が白くなっているのが特徴で、猫で言うホワイトソックスです。

シルバーミットはブレイズや、パンダのような模様の変わったタイプの交配中に必ず出てくるパターンで、そのためか顔の模様にも個体差があります。

体に模様のある品種の中では、数の多い種類です。

アルビノ

出典:koiwa-pet

アルビノは「フィッチ」の名でフェレットの家畜が始まった頃から存在していたようです。

子供の頃は真っ白ですが大抵は、年齢ともにクリームになります。赤い目が特徴です。

ホワイトファーブラックアイ

出典:koiwa-pet

みた目はアルビノの黒目という感じです。

まれな色なので、値段は高めになります。

マークドホワイト

出典:koiwa-pet

背中から尾にかけてのラインが特徴的です。

入手は困難のため値段も高めになります。

ブレイズ

出典:koiwa-pet

頭部に時代劇のさかやき(ちょんまげを結う時に頭髪を剃った部分)のような、白い模様が入ったタイプです。

四肢の先も白くなるのが普通です。模様の入り方には個体差がありますが、マーシャル社のブレイズは模様がくっきりしていることで知られています。

パンダ

出典:koiwa-pet

体の模様のツートンカラーがパンダの名前の由来です。

肩口から頭にかけてと尾、手足の先が白くなっているのが特徴です。色の濃淡には個体差があり、アンダーカバーが黄色味を帯びていたり、頭部にブレイズのような模様の入っているものもいます。

シャンパン

出典:koiwa-pet

バタースコッチを薄くしたようなカラーです。ガードカバーは小麦色で、アンダーカバーは白からクリーム色です。

目の色が茶色やブドウ色が多く、鼻はピンク色です。ファームによって呼び方が変わり、「ピンクゴールド」や「ジンジャー」などと呼ぶファームもあります。

フェレットのバリエーションは豊富

フェレットと一言でいっても、様々なファームで繁殖され、それぞれの特徴を持ち、たくさんの毛色の種類があります。

ファームの特徴はあるものの、あくまでも目安です。おとなしい性格といわれているファームでもヤンチャな子もいます。その逆もあります。

その子自身をよく見て下さいね。そして、迎え入れたフェレットは生涯可愛がってあげてください。

フェレットは留守番が得意といわれていますが、ずっと放っておかれていては寂しいです。あんなに小さくても、しっかりしつけも出来ますし、賢いです。

飼い主さんもフェレットもお互いが幸せに暮らせるように、人間が最後まで愛情たっぷり注いでお世話してあげましょう。

フェレットについて知りたい!【歴史・特徴・性格・種類・毛色・生活習慣など】

2018.04.10

この記事が気に入ったらシェアしよう!