平成25年度全国の犬猫殺処分ランキング〜この現実をあなたは知っていますか

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近年のペットブームで、犬や猫と生活を共にする人が増えてきました。インターネットや雑誌で、愛らしい子犬や子猫の姿を目にする機会も増えましたよね。しかしその一方では、平成25年に日本全国で殺処分された犬と猫の数は128,241匹(引用元:https://www.env.go.jp/)。言い換えれると、意図的に人間の手によって殺された命の数でもあります。

毎年約13万匹の犬や猫が「殺処分」という形でこの世を去っています。この矛盾を、あなたは考えたことがあるでしょうか?今回は、平成25年に環境省から発表された全国殺処分数の統計資料を元に、日々続く「殺処分」の現状を考えていきたいと思います。
人間と犬と猫。本当の共存の形とは何でしょうか?

現実を知る〜殺処分の方法とは

犬や猫の殺処分は、全国の都道府県にある「動物愛護センター」で行われます。
愛護という名前が入っているので誤解されることが多いですが、ここは引き取られた犬や猫を一定期間保護したのちに殺処分を行う場所です。

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現在行われている殺処分の主な方法は以下の2つです。

(1)ドリームボックス
大きな箱の中に殺処分をする犬や猫を入れ、炭酸ガスを5分から10分注入することで窒息死させる方法です。この装置は「眠るように安らかに旅立てる」という意味でドリームボックスと名付けられていますが、殺処分を軽く考えられかねないとして改名するべきという意見が出ています。

(2)薬品の注射
ペントバルビタールナトリウムやケタラールなどの薬品を犬や猫に筋肉注射して、毒殺します。
薬品は自治体によりさまざまですが、主に上の2つを使う所が多いようです。ドリームボックスは、主に体の小さな猫をまとめて殺処分する際などに使われます。しかし生まれて間もない子猫は窒息するまでに時間がかかり、その分長く苦しむことが多いのが実情です。一回では死なず、か細い声で鳴く子猫をもう一度ドリームボックスに入れることもあるようです。
苦しみから逃れようと必死で鳴く姿を想像すると、身が切られる思いです。

平成25年動物センターに引き取られた犬や猫の数

犬・・・28,570匹
猫・・・99,671匹

殺処分数は猫の方が多いのですが、それは野良犬よりも野良猫の方が圧倒的に多く、繁殖力が高いからだそうです。センターに引き取られる割合として最も多いのが、行政から連れて来られる犬や猫です。
これは97,922匹にのぼります。驚くべきは、飼い主からセンターに連れて来られる犬や猫が16,542匹もいるという事実です。
主な理由は、

ペットの高齢化や飼い主の高齢化
飼い主の引っ越し
子供ができ邪魔になった
吠える・噛むなどしつけ関係
など、100%人間の都合によるものです。

殺処分する理由

飼い犬や飼い猫の介護から逃れるために、殺処分を選ぶ飼い主もいます。ペットを飼うということは、そのペットが老いた後も命を預かることに他なりません。こういった飼い主としての責任感の欠如によって命を奪われる犬や猫がいるのも事実なのです。(参照元:http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/

猫の場合は飼い主からの連れ込みの約半数が、生まれたばかりの子猫だといいます。その主な理由は、飼い猫に避妊をせず外に出てしまい、妊娠して帰ってきたきた、などがセンターへ持ち込んだ身勝手な理由です。が、猫を飼っているのにどうして子猫を殺処分できるのか、理解に苦しみます・・・。

犬の殺処分―全国ワースト10位

犬ワースト10位ランキング

1位 茨城県 2,102匹
2位 香川県 1,932匹
3位 沖縄県 1,748匹
4位 広島県 1,383匹
5位 熊本県 1,303匹
6位 徳島県 1,238匹
7位 長崎県 1,204匹
8位 山口県 1,195匹
9位 鹿児島県 1,052匹
10位 愛媛県 955匹
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犬の殺処分数ワースト1位の茨城県では、地域ごとに殺処分数に偏りが見られます。鹿行、県西地域で特に多く、神栖市324匹、筑西市188匹、下妻市140匹との報告が出ています。
この地域に持ち込まれている犬の多くは首輪をしており、元々飼い犬だった可能性が高いそう。地域的に土地が広く家の敷地内で犬を放し飼いにしている家庭で、なんらかの原因で脱走した犬がそのまま野良犬になってしまうケースが多いと言われています。
年間を通して比較的温暖な気候のために、野良犬が生きていけることも要因のひとつです。また、どの県も全体的に避妊や去勢の意識が低いことが原因として挙げられます。(参照元:https://www.pref.ibaraki.jp/soshiki/hokenfukushi/doshise/

 

猫の殺処分―全国ワースト10位

猫ワースト10位ランキング

1位 兵庫県 3,321匹
2位 愛媛県 2,906匹
3位 沖縄県 2,726匹
4位 福岡県 2,658匹
5位 広島県 2,636匹
6位 茨城県 2,633匹
7位 山口県 2,578匹
8位 千葉県 2,568匹
9位 大阪府 2,552匹
10位 宮城県  2,334匹
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犬、猫ともに殺処分数が多い都道府県として茨城県、沖縄県、山口県、広島県などが挙げられます。猫の殺処分数ワースト1位の兵庫県では、動物愛護センターに保護された猫のうち90%以上が殺処分されています。
引き取られた犬や猫が譲渡や返還されるように率先して働きかけるセンターもあれば、そうでないセンターもあるのが実情のようです。
兵庫県民が動物愛に欠けているというわけではないようで、殺処分数を減らそうと働きかけるNPO団体や個人のブログなどをインターネットで多く見つけることができますが、兵庫県の動物愛護センターとの連携がうまくいっていないという事実があるようです。
行政と個人のつながりをもっとスムーズにして、動物愛護センターから個人の家庭に犬や猫が譲渡されるシステム作りが急務になっています。(参照元:http://www.hyogo-douai.sakura.ne.jp/

殺処分を減らすために―都道府県の取り組み

いまだ多くの犬や猫が殺処分されている現状がありますが、同時に殺処分数を少しでも減らそうとする働きが全国で広がっています。

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●茨城県の取り組み
平成25年に犬の殺処分数でワースト1位、猫の殺処分数でワースト6位になった茨城県では「全国ワースト1位脱却宣言」と称した数々の取り組みが行われています。
代表的なのがNPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク」によるビラ配りや張り紙、パネル展などの活動です。
平成26年に水戸市で行われた動物愛護写真展では、笠間市の県動物愛護センターに収容された犬や猫の写真を使い、殺処分数という数をただの数字ではなく命の数であることを訴えました。
また、犬や猫の心音を実際に子どもたちに聞かせる活動を通して「命」をリアルに感じさせ、想像力を持つように呼びかけています。

●殺処分ゼロを達成した熊本市
平成26年、熊本市の動物愛護センターが犬の殺処分数ゼロを達成したとして話題になりました。
「嫌われる行政になる」を合言葉に、センターの職員や獣医師、動物愛護団体から集まった25人で「動物愛護推進協議会」を結成。
飼い犬をセンターに連れて来た飼い主を粘り強く、時に泣くまで説得したり、実際に飼い犬が殺処分されている現場に飼い主を立ち会わせることもしました。
命を殺すとはどういうことなのかを実際に見せることによって、無責任な飼い主が今後増えないように訴え続けたのです。こうした粘り強い活動によって、平成26年に熊本市は犬の殺処分数ゼロを達成。職員は、大切なのはゼロを続けていくことだと言っています。(参照元:https://wanchan.jp/osusume/detail/2027

殺処分数ゼロを達成するために

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茨城県や熊本市の活動を見ていくと、殺処分数ゼロは決して叶う可能性の低い「理想」ではないことが分かります。上に挙げた2つの自治体の他にも、殺処分数ゼロを目指した取り組みは全国で行われています。大切なのは想像力を持つことと現実を知ること。そして実際に行動することです。
避妊や去勢を徹底することはもちろん、迷い犬や迷い猫を生まないためにマイクロチップを入れたりや連絡先を記した首輪をつけるということも大切です。
犬や猫の殺処分数は、年々減っています。平成25年度に128,135匹だった殺処分数は、平成26年度には101,338匹、平成27年度には82,902匹になりました。殺処分数ゼロは、決して絵空事ではないのです。(参照元:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

 

まとめ

日々殺処分が行われている動物愛護センターの職員の多くが、「もう殺処分をしたくない」と言うそうです。センターには名前のない犬や猫を弔う動物慰霊碑があり、センターの職員や慰霊に訪れた人々が毎日手を合わせています。
私たちは殺処分という言葉は知っていても、実際に行われている現場の空気や苦しむ犬や猫の顔を知りません。可愛いともてはやす一方で、毎年約10万匹の命が殺される人間社会の罪深さを痛感すると共に、犬や猫の命への想像力を持つことの大切さを感じます。

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